闘病の喜・怒・哀・楽
過去の日記に書き忘れたネタを供養するコーナー!!!!
です。ほとんどが「怒」たまにその他
怒
わたしのリンパ節の腫れがどうやら転移らしい、ということで
手術のための入院が決まった頃の話です。(2013年2月
入院前の検査が終わってほっと一息、夕方になってしまったので
食堂で帰る前に甘いものをたべてひと休みしていました。
朝から絶飲食でクタクタ、リンパの腫れもほぼ転移にまちがいない、
などと言われて精神的にも疲れていました。わたしはワラビ餅と
バニラアイスに抹茶と黒蜜のかかったものを食べていました。
しばらくすると
わたしのテーブルから少し離れた場所に高齢の女性のグループが
やってきて、騒々しく話し始めました。
「××の△さん、リンパに転移して2週間で死んだよ!」
「がんは、リンパに行ったらもうお・し・ま・いなんだよっ!!」
…なにがおしまいなのか!この死に損ないが!
まったくけしからんババァどもである。おまえらこそ死ね!
病院の中に限らず軽い気持ちであれこれ大きな声で話してはいけない、
ほんとうによくわかりました。どこで誰を傷付けるかわかりませんから。
喜
福作用
現在の夫とはパート先で知り合いました。
2年間一緒に働いて1年は先方が勤務先を異動してその後1年は
わたしが病気になって、退職して療養して。でもこの4年間
まったく付き合いはありませんでした。職場恋愛禁止では
ないけど恋人や不倫相手探しに来てるお局様の目が怖ろしくて…
男性の社員さん達とは仕事で必要最低限の会話しか出来ません!
病気で退職して、その年の暮れに今の夫の勤務する職場の
短期アルバイトに応募して、会いに行ったのです。それから付き合って
ひとつき経たずにプロポーズされて今に至っております。
まだあの会社に勤めていたら再会する機会があってもお局パートさま
の監視下では、わたしたち何も話せずにいたと思う。
だから、わたしもひとりで生きていて肺がんほど深刻な病気でなければ
勤めを辞めなかった訳で、結婚出来たのは「福」作用だと思っています。
人生多少短くなりそうだけど、病気が結んだ縁もある、ということで。
哀
放射線治療中に
放射線治療科の待合室と照射をうける部屋にはいつもBGMが流れていました。
患者さんの気を休めるためか、スタッフさん達の趣味なのかわかりませんが
かなり懐かしいPOPSをオルゴール演奏したものでした。
そこで、「卒業写真」やら「会いたい」やら「サイレント・イヴ」を聞くと
涙とはなみずが止まらなくてとても困りました。
まぁ、人間がんにならなくたって死ぬんだから…などと心の中で自分を
励ますけど、どうにもなりません。スタッフさんが気付いていたか
わかりませんがわたしの放射線治療スケジュール終わり近くになってBGMは
無くなっていました。
世の中には感じやすい人もいるので、BGMはおもいっきり元気なラテン系
なら楽しくて免疫力アップかもしれません。ご一考を。
怒
入院中1
化学療法1回目の2月のことでした。通路側のベッドで薄暗く、暖房が効きすぎて
暑いほどでした。加湿器をつけていたけどノドや鼻が乾いて辛かった。
わたしはイラストの通り廊下の長椅子で一日のほとんどを過ごしていました。
そこへ、看護師さんがやってきて突然、血糖値を計りましょう、と言うのです。
…初耳です。わたし糖の心配ないんだけど…????
しばらく抵抗したら、看護師さん何かを確認にナースステーションに戻って
いきました。後で人違いだった、と言っていましたが謝罪は無かった。
わたしが強く抵抗しなかったら取り違えていたところでしょう。怒×10000000
わたしは詳しくないけど一日に何度も糖を計って薬や食事の量を決めている
患者さんと血糖値正常なわたしを取り違えてたらと思うと、命が危ないのは
わたしじゃない患者さんの方では…?「怒」というよりこれは「危」かも
入院中2
入院中の検査は診察券とおなじような患者の名前と生年月日が書いてある
カードを看護師さんからもらって行くのですが、いつもどおり検査の順番を
待っているとき何気なくこのカードを見たら別人、しかも男性のカード…
わたしは非常にありふれた苗字で同姓同名のかたともよく出会うのですが、
苗字もなにも、かすりもしない…しかもおじいさんだよ…
その時ほんとうにこんな (-_-) 顔になりました。 自分がナースステーションまで
引き返すのは嫌だから、わざと検査の技師さんに見せて、看護師を呼びました。
別に謝るでもなく、取り違えは日常風景、もう感覚が麻痺してる様子でした。
怒る力も湧いてこない…
赤の他人が。
- 「タバコ吸ってたんなら自業自得だね」…おまえは鬼か。
- 「子供いないなら(死んでも)別にいいでしょ?」…独身者は死んでもいいのか。
- 「あんたは(独身だから)心配事がなくていいじゃない?アタシなんか家族が…」
…闘病は人それぞれ大変なのです。アタシだけが悲劇?勝手にやってろ!!
ナースが。
- アルロイドGを「髪が生えるお薬ですよ〜♪」…笑えない。
※放射線による食道炎に処方される粘膜を保護する飲み薬です。
(まさか)家族が。
- 「どうして癌になんかなったのっ!!」…これには参りました。こっちが聞きたいよ…
病気になって激しく責められるとは思いませんでした。破壊度MAX。
- 「もう治ったんでしょ?」…あんなに説明したのに今まで何を聞いてたの?
- 「まだ仕事休んでるの?」…なぜでしょう。もう説明する気力がありません。
- 「疲れたよ」…わたしが言いたい。
知人が。
- 「もっと大変な人が世界にたくさんいるんだよ!!」…おまえが言うな!悪質度・高
- 「がんばってねぇ〜♪」(軽いノリ)…ワースト1です!おめでとう!
口にした奴は自爆すべき禁句!
無難なのは「お大事にね」「無理しないでね」あたりでしょうか。
- 「アタシだって(命に関わらない軽微な病気)で結構辛くてさぁ」…かえってつまらない
苦労話を聞かされてしまうわたし。いいよ別に聞いてないから。
- 「絶対治るよ!」…病気を知らない人が軽いノリで言うからなお傷付く。
言ってる人に悪気がないだけに嫌になる。
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哀
入院中1
確か3回目の入院中のことです。わたしは真ん中のベッドにいて、通路側には若い方。
毎日親、夫、子供がきて部屋の出入り口を長時間塞いでしまいトイレに行くのも難儀しました…
看護師っていつも家族がお見舞いに来てる患者さんを大事にする傾向があると思うけどひがみかな。
乳幼児を連れてきたり、旦那がケータイかけたりしても注意しないどころか一緒にワイワイやってるの。
わたしは朝の回診と食事以外はほとんど病室の外で過ごしました。とほほ
入院中2
隣のベッドの患者さんのことです。
トイレも看護師の付き添いがないと行かれない状態で、身の回りの物の買い出しを頼まれてくれる
家族もめったに来ない様子でした。ある日給食で出たベーコンの油が口に合わなかったらしく、
それ以来食欲がわかない。メニューの変更を給食室へ伝えるように看護師に頼んでいたのに
なにも変わらなかったそうです。ある朝も給食が食べられなくて、看護師さんに
売店で日本そばかひやむぎのおべんとうを買ってきてくれるように頼んでいましたが、
とうとうお昼近くになっても看護師は来なかった。
その一方で、毎日お見舞いが来る患者の注文はよく聞いてるんだよね。けっして忙しい訳じゃない。
毎日見聞きしてたものだからあの老人が不憫で…
わたしが声をかけて、小銭をあずかって売店で買い物してあげました。
日本そばのお弁当とミネラルウォーターを買いました。以後胃の不調が良くなって食事がとれる
ようになったそうです。あとで看護師が顛末を老人から聞いたそうで「(・ε・)さん、ごめんね〜」って
言ってましたけど。動けなくなれば明日は我が身です。
入院中3
これは2月の入院の時。同じ病室にいた患者さんのことです。
必要な治療がすべて終わって、もう入院していなきゃいけない理由なんか
無いのに、家に帰っても自分のことが出来ないし、世話をしてくれる
家族がないために退院できずに他の病院から転院して来たのです。
本人は天涯孤独の身の上で、献体登録してあるからなんとかしてください、と言うし、
病院は介護施設ではないし、献体登録したからってずっと世話はできないから、
ソ−シャルワーカーさんと今後について相談してほしい、と看護師は言う。
こんな会話が何日も続いてました。病院に払うお金は無いそうです。
医師、看護師のめんどくさそうな態度と乱暴な言葉は見ていたわたしも
悲しくなった。この方、いまごろどうしているのかな。
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